怒りを鎮めることは大人にだって簡単ではありません。ましてや発達障害をもった感情コントロールの苦手な子どもに、どうやって伝えようかと頭を悩ませていた時に出会ったのがこの本です。
学校で自分の思い通りに行かないと不適切な行動をとってしまい、その不適切な行動について周りから責められて更に怒りを増幅させる。そんな悪循環に陥りがちな子どもに、それがどんなに非効率であることなのかを感じてもらうには効果があったように感じます。視覚優位な子どもには、言って聞かせるよりも絵本のストーリーの方がイメージしやすいのでしょうね。
最後のソーサラスとのエピソードは、ポポリがかわいそうで、読み聞かせている大人も悲しくなるのですが、感情をコントロールできた者だけが得られる達成感を秀逸に表現していると思います。
作品紹介
おこりんぼさんの毎日が楽になる処方せん
かいじゅうポポリは、おこりんぼ。いつも怒ってばかりいます。友達と大げんかしたある日、ポポリがひとりであばれていると、怒りのマスターかいじゅうプワイズが現れて……ポポリは自分の気持ちと向き合い、ばくはつせずに上手に怒りとつきあう方法を、ユーモアあふれる絵本を通じて学べます。「かいじゅうとドクターと取り組む」感情をめぐる絵本シリーズ、待望の第2弾!